社内SE

「Re:ゼロから始める社内SE生活」#05 デスマーチで愛想を尽かされる

社内SEの体験を色々と振り返るフィクション小説です。

「Re:ゼロから始める社内SE生活」#05、はじめてのデスマーチ。

» 前回 : 「Re:ゼロから始める社内SE生活」#04 はじめてのデスマーチ

5年付き合った彼女に愛想を尽かされる

デスマーチの影響は会社生活だけではなく私生活にまで及んでいた。

当時、僕には同棲している彼女がいた。彼女は名家のお嬢様なのだが、ガンダムオタのギャルという不思議な女性。見た目どおりのノリの良さと、まれに覗かせる聡明な顔とのギャップが魅力的な女性だった。

学生時代から付き合っていたので交際期間は5年ほどになるだろうか。社会人になって転勤したときに着いてきたり、彼女の両親にもご挨拶したりと、そのままいけば結婚でもしていたのだと思う。

ある日、休日夜間関係なく仕事に向かう僕にギャル彼女は尋ねる。

「また?ありえなくない?ほんとに仕事なの?」

浮気でも疑っていたのだろうか。

「ごめん。仕事なんだ。」

実際、本当に仕事なわけで。

まるで女っ気のないオヤジどもの巣窟で、ただひたすらテスト、仕様変更、テスト、仕様変更、テスト、仕様変更、、、を繰り返す。家に帰っても死んだように眠るのが精一杯な日々が続いていた。

梅雨も明け始め夏の気配を広がりはじめた日。夜間作業がおわり家に帰ると、ギャル彼女は忽然と姿を消していた。

まじかー、と思い連絡をとってみる。

「ってか、愛想が尽きたから実家に帰るわー」

 

そうして、明確な「さよなら」もなく同棲生活は自然消滅した。

それ以来、ギャル彼女に会ったことはない。そういえばFacebookの「知り合いかも」で見かけたことがある。タイムラインには子供と一緒の楽しそうな写真が大量に乗っていたので、おそらく実家の方で結婚して子供ができたのだろう。幸せそうでなによりだ。

エンジニアが朝帰りしても浮気じゃありません

このブログを読んでいただいている方で、夫や妻、彼氏や彼女がシステム開発に関わっている方がいるかもしれません。そして、彼ら彼女らの終電帰りや休日出勤、そして夜間作業が続くのをみて浮気を疑っているかもしれません。

断言します。浮気はしていません。

「でも、シャンプーの臭いがするよ?」
作業の合間にシャワー室やサウナに行っているだけです。

「でも、なんか挙動不審になったよ?」
彼ら彼女らは仕様変更や不具合に怯える子羊なのでそういうものです。

「普段吸わないタバコの臭いがするよ?」
モノゴトは喫煙室で決まるので非喫煙者でも喫煙所に入り浸ります。

「スマホを離さなくなったよ?」
仕様変更や不具合はいつ起こるかわからないのでスマホは手放せません。

「仕事で朝帰りなんてありえるの?」
昼間はユーザーが使っているので夜間しか作業できません。

「夜の回数が減ったよ?」
いや、、休ませてあげて。。

大事なことなのでもう一度言います。浮気はしていません。

 

それでも疑わしいのでしたらこう訊いてみてください。

「デスマーチなの?」

Yes と答えたらそれは浮気ではなく仕事です。

 

つづく。